遺言というと、財産がたくさんあるような人だけが作成するようなイメージを持たれがちですが、
遺言作成を考えた方が良いケースの一つとして
「障害のあるご家族をお持ちの方」が当てはまります。

普段は自分(親)がサポートしているけれど、自分が亡くなった後は誰に面倒をみてもらおう?
兄弟・親戚・施設・地域…
ご家庭の事情によりさまざまなケースが考えられます。
どなたにお願いするにしても、ご自身が亡くなったときのことを考えて
遺言を残しておくということをおすすめします。
遺言を残しておいた方が良い理由2つ
①障害者本人の署名等を要せず、相続手続きが出来る(遺言執行者を決める)
遺言は「遺言執行者」という人を記載することが出来ます。
この遺言執行者は作成した遺言の内容通りに相続手続きを進める人のことで
相続人のうちの一人や第三者の専門職が遺言執行者として就任する場合が多いです。
その遺言執行者を決めておくことで
銀行の相続手続きの際などに、相続人のサイン等が不要になるからです。
ただし、銀行によっては遺言執行者を決めておいても相続人本人(つまり、障害者本人)のサインを要する場合もあるので注意が必要です。
本来、遺言も作成せず、また遺言があっても遺言執行者を決めなかった場合、
銀行の相続手続きの際には相続人全員の署名捺印が必要です。
そして、(障害者本人の障害の種類にもよりますが、)相続人として手続きする際には成年後見人を付ける必要が出てくる場合があります。
その場合には通常の相続よりも手続きに時間がかかってしまうことも。
それを避けるためにも遺言を作成して遺言執行者を定めておくことをおすすめします。
②サポートしてもらう予定の人に財産を多めに残すことができる
ご兄弟のうちの一人に面倒をみてもらうのであればその人に多めに残す。
施設にお願いするのであれば、その施設に財産を遺贈する。
など、遺言は原則としてご本人の思いのままに作成することが出来ます。
ただし、相手によっては口だけ「面倒みる」と言って実際にはお金目当ての場合も考えられます。
ご家族であればきちんと話し合って、具体的にどのような「面倒」をみてもらうのか、
将来のことを早めに考えておく必要があるでしょう。